「口腔衛生」という言葉から歯の健康を思い浮かべる人は多いですが、実はそれだけではありません。最近の研究で、歯周病が口腔がんのリスクを高める可能性があることがわかってきました。この2つの病気がどのように関連しているのか、そしてリスクを減らすために何ができるのかをわかりやすく解説します。
歯周病とは?
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきが感染症に冒される病気です。原因は歯垢に含まれる細菌で、初期段階では歯ぐきが腫れる「歯肉炎」として現れます。進行すると歯ぐきが後退し、歯がぐらつき、最悪の場合は歯を失うこともあります。
さらに、歯周病の影響は口腔内だけにとどまらず、全身の健康に影響を及ぼすことが知られています。心疾患や糖尿病、早産との関連が指摘されているほか、口腔がんのリスク要因にもなる可能性があります。
歯周病と口腔がんの関係
複数の研究が示しているのは、慢性的な歯周病が口腔がんのリスクを高める可能性です。その理由は以下のように考えられています:
慢性的な炎症
歯周病によって引き起こされる慢性的な炎症が、がん細胞の成長を促進する環境を作り出します。特に炎症が長期間続くことで、細胞が正常な働きを失い、がんの発生リスクが高まる可能性があります。
有害物質の放出
歯周病細菌は毒素を放出し、組織にダメージを与えます。このダメージが、細胞の突然変異やがん細胞の形成を誘発する可能性があると考えられています。
免疫系への影響
歯周病が免疫系を弱体化させることで、がん細胞の排除が妨げられることも指摘されています。
これらのメカニズムが複雑に絡み合い、歯周病が口腔がんのリスクを高める一因になっているのです。
リスクを減らすための予防策
歯周病や口腔がんのリスクを下げるためには、日々のケアが何より重要です。以下のポイントを押さえて、口腔内を健康に保ちましょう。
1. 毎日の口腔ケアを徹底する
- 正しい歯磨きを心がけ、歯垢をしっかり除去しましょう。
- 歯間ブラシやフロスを使うことで、歯と歯の間の清掃を怠らないようにします。
- うがい薬を使用することで、口腔内の細菌を減らすことができます。
2. 定期的な歯科検診を受ける
- 年に2回以上の定期検診で、歯周病の兆候を早期に発見し、治療を受けましょう。
- 歯科検診では、口腔がんの早期発見にもつながります。
3. 健康的な生活習慣を取り入れる
- 禁煙:たばこは歯周病と口腔がんの両方のリスクを高める大きな要因です。
- アルコールを控える:過度なアルコール摂取は、口腔がんのリスクを高めることが知られています。
- 栄養バランスの取れた食事:特に抗酸化作用のある食品(野菜や果物)を積極的に摂取することで、体全体の炎症を抑える効果が期待できます。
定期検診がもたらす安心感
歯周病や口腔がんのリスクを軽減する鍵は「早期発見と早期対応」です。歯科検診では、歯周病の進行度を確認し、適切な治療を受けることができます。また、歯科医師は口腔がんの初期兆候を見逃さず、必要に応じて専門医への紹介を行います。
まとめ:口腔ケアで健康を守る一歩を
歯周病と口腔がんは、一見関係がなさそうに見えますが、実際には深い関連性があります。この事実を理解することで、日々の口腔ケアや生活習慣の見直しがより重要だと感じられるのではないでしょうか。
今日からできる予防策を取り入れ、歯周病と口腔がんのリスクを減らすための第一歩を踏み出しましょう。健康的な笑顔と全身の健康を守るため、歯科検診の予約をぜひ検討してみてください。
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